77回生 沼田恵介さんが日本生物学オリンピックで金賞受賞!
日本生物学オリンピック2024の本選が2024 年8月、熊本大学で開催され、本校3年次生の沼田恵介さんが見事、金賞に輝きました!予選申込者数2,160人の内、上位80人が本選に進み、さらに本選での総合成績上位10名に金賞が贈られました。本大会での新宿高校生の金賞受賞は初めて。総合成績で全国3位という快挙を成し遂げた沼田さんにお話を聞きました。
大会に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
2年生の後半に、生物科の渡邊正治先生から勧められたのがきっかけでした。それまで出場を考えたことはなかったですが、もともと生物には興味があったし、少し調べてみたら面白そうだなと。それで挑戦してみることにしました。
大会に向けて、どんな対策をしましたか?
オリンピックのために特別な対策をするというより、普段の授業をしっかり受け、学校で配布された資料集を徹底的に読み込みました。自分にとっては受験勉強の一環という感覚で取り組んでいました。
7月に実施された予選は、自宅でのコンピューター受験(CBT)で制限時間90分の理論試験でした。本選では理論試験に加えて実験試験も課されるので、夏休みは渡邊先生がそろえてくださった実験セットと食材を使って解剖の練習をしました。
本選は熊本大学で、3泊4日の合宿形式で実施されました。
実は、本番の実験試験では練習していた解剖ではなく、コンピューターで画像解析をし読み取った内容をグラフに表す問題と、動物・植物を実験材料とした問題が出されました。小さくて透明なメダカのうろこをピンセットで扱うのは大変でしたし、植物の芽生えを観察して遺伝子操作について答える問題では、シャーレ(実験用のガラス製の平皿)から芽が乗っている寒天を切り取って移す作業に苦戦しました。
本選中は8人一組のグループで行動しましたが、お互いの学校の話で盛り上がったり、レクリエーションの時間には大学生スタッフの企画による大喜利を楽しんだり。大喜利の答えは、必然的に生物寄りでしたが(笑)。
また、学生スタッフの中には海外の有名大学に留学している人や著名機関で研究をしている人もたくさんいて、とても刺激になりました。
総合成績で全国3位は素晴らしいですね!将来の夢を聞かせてください。
生物の中でも海洋動物、その中でも特にサメが好きで、海洋生物の研究員になりたいと思っています。ゆくゆくはイギリスやノルウェーなどヨーロッパの国に留学してみたいです。
最後に、これから生物学オリンピックを目指す人たちにメッセージを。
先ほども話したように、とにかく資料集での勉強をお勧めします。3年生は何かと忙しくなるので、できれば2年生の内に出場を決められると、春休みに集中して生物の勉強に取り組めるので良いと思います。受験勉強の先取りができます(笑)。生物での大学受験を考えている人には、オリンピックに向けた勉強はメリットでしかないです!
渡邊正治先生から
この大会は知識に加え、思考力が問われます。問題の内容や背景にある出題者の意図を正しく理解し、いかに論理的に解答を組み立てられるかが肝です。同時に、出題の範囲が広いので満遍なく勉強することも大事です。大会へのチャレンジは、生物学的な思考力や学力がどの程度身に付いたかを確認する良いチャンスです。
また、本選に出場すると同じ志を持った生徒や大学の先生と出会うこともでき、将来の進路先や留学先などにつながることもあります。
思考することを楽しめる生徒、チャレンジ精神を持つ生徒にはぜひ挑戦してほしいですね。